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コンク・パール

コンク・パールは近年になり有名になった宝石の一つです。
養殖真珠の「ミキモト」とダイヤモンド商「ハリー・ウィンストン」が
高級商材として取り扱いを始めたことから、人気に火がつきました。

パールという名前が入っていますが、真珠のようで真珠とは違う性質をもっています。
通常の真珠は、真珠貝のもつ外とう膜により真珠層がレンガを積み重ねるように形成されていきますが、「コンク」である巻き貝にはありません。
そのためコンク・パールは、幾重にも重なった真珠層がない為、真珠独特の発色は持ち合わせていません。
異物進入による核からの成長という点では同じですが、真珠層ではなく貝殻の生成と同じ過程で大きく丸くなっていきます。
コンク・パールはその生成過程で「交差枝構造」と呼ばれる「アラゴナイトの結晶体」から生まれる独特の模様ができます。
それは火焔模様(かえん)とよばれ、まるでコンク・パールの中で燃え上がっているかのような
炎の模様が浮かび上がります。この模様がより際立つと、陶器状の質感に独特の絹状光沢を発し、素晴らしい発色となります。

主な産地はカリブ海の西インド諸島や南アメリカ・サイドの沿岸諸国が数少ない産地です。

コンク・パールは巻き貝の中に進入した異物により成長しますが、このピンクガイの母貝もピンクの為、
この貝を削って作った類似品もあります。
これはあくまで人為的に作ったものになりますので、コンク・パールの価値とは雲泥の差です。
コンク・パールは1000~10,000個近い貝の中から一つ取れるかどうかの大変希少な宝石です。

コンク・パールは主として炭酸カルシウムCaCO3(アラゴナイト)でできており、
モース硬度は3.5~4とやわらかく、取り扱いには注意が必要です。

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