連載企画!職人インタビュー【技と想いのバトン】第2弾 「技術を磨く=自分に自信をつけたい!」
ジュエリーを作る人ってどんな人?
ジュエリーリフォーム専門店ajourの使命は大切なジュエリーをお預かりし、蘇らせること。
この使命を一番身近で感じ、想いを形にしているのがジュエリー職人です。
そんなajourのジュエリー職人の想いや職人になったきっかけ、いつも身に着けているお気に入りのジュエリーなどを連載で特集いたします。
第2回目のジュエリー職人は中野さん。
入社5年目。社内では最年少で貴金属装身具製作技能検定1級に合格しています。
モノづくりとの出会い
意外にも、彼女は幼少期からモノづくりに親しんでいたわけではありません。
千葉県の高校でバレーボール部に所属し、学生生活を送っていました。
転機となったのは、選択授業で「工芸」を選んだこと。授業を受けるうちに「手を動かすことが好きだ」と気づき、将来はモノづくりに関わる仕事をしたいと考えるようになりました。たまたま工芸を教える先生がいたことが、この道への第一歩となったのです。
周囲を説得し、専門学校への挑戦
「技術を磨く=自分への自信」を身につけたい!
当時は大学進学が一般的な風潮の中で、担任や両親からは大学進学を勧められました。
しかし「目標のない4年間を過ごすよりも、モノづくりを学びたい」と強い思いを持ち、説得を重ねて専門学校進学を決意。
数ある学校の中で、自分の思い描くジュエリー制作ができそうだと感じた「ヒコ・みづのジュエリーカレッジ」への入学を選びました。
入学が決まった時には「ここまで周囲を説得して入学をしたからには絶対にジュエリー職人になるしかない!」という気持ちが高まっていたと当時を振り返ってくれました。
在学中にはすでに「貴金属装身具製作技能検定2級」を取得し、「技能五輪全国大会」に出場して入賞。
「優勝を狙う」よりも「技術を磨き、自信につなげたい」という姿勢が印象的です。
ajourでの成長と1級合格
「結局は楽しくて夢中でやっていた」
「貴金属装身具製作技能検定1級」には、2級取得後に2年以上の実務経験が必要です。
中野さんは入社後3年目に挑戦し、見事一発で合格。0.1ミリ単位での正確な作業に魅力を感じ、日々の練習を重ねた成果でした。
日々の練習は大変でもありましたが、それよりも自分に技術が身についていくことが嬉しかった記憶の方が大きく残っているんだとか。
現在、最も好きな作業は「ロー付け」。この作業、実はとても難易度が高く、
石座をリングに取り付ける高度な技術で、素早さと正確さが求められます。
先輩職人からも「この年次でここまでできるのは珍しい」と評価されています。
ジュエリー職人としての想い
ジュエリーの加工は作業ではなく、想いを形にして届けること。
中野さんがジュエリー職人として大切にしているのは「お客さまの笑顔を想像すること」。
店頭で、自分が加工したジュエリーを手にしたお客さまの喜ぶ姿を見て、「作業」ではなく「想いを形にする仕事なのだ」と実感したそうです。
最近は、幼馴染の結婚指輪を制作する機会もあり、「人生に寄り添うジュエリーを作れることがうれしい」と語ってくれました。
ちょこっと職人のこぼれ話
もしも別の職人になるとしたら?
悩ましい質問にもかかわらず「靴職人ですねか!」と即答してくれました。
休日は靴職人の動画をYouTubeで見るのが楽しみにしていて、
どんどんと素敵なシューズが出来上がっていく姿を見てときめいてるそうです。
職人のプライベートな趣味は?
SNSにはあまり興味がなく、手を動かして何かに集中をしている方が落ち着くのだとか。
学生時代から時折描いている絵も得意で、実際に見せてもらった作品は本物のジュエリーと見間違えるほどの完成度。
デザインを描き出す力も、職人としての強みにつながっています。
職人のMy Favorite Jewery
普段身につけているのは、自ら一から制作した3本のリング。
シンプルなデザインで作業の妨げにならないようにしつつ、コーディネートを楽しんでいるそうです。
ジュエリー職人ならではの特権といえますね。